空気について ― 2007年09月07日
オートバイに乗っていると地球上に空気があることをはっきりと感じさせてくれる。世間が無風状態でも、時速60キロで巡航していると、風速60キロの空気の塊が正面からぶつかって来るというわけだ。
この空気の質感も湿度や温度によって刻々と変化する。からみついたり、刺し込んだり、するりと抜けていったり。
ときどき飛行機のまねをして両手を横に広げると、空気断層の節理にうまくはさまって、そのままふわりと飛び立てそうな気持ちになる。
4輪は密閉された中の空気ごと移動する。主体を囲む状況ごとが位置を変える。で、降り立ったところで別の状況に瞬時に変化する。2輪は、主体がむきだしで移動し、状況は徐々に移りゆく。移動時には途中の空気にまみれてその場のにおいをかぎ、湿気をからめとる。
あれやこれや妄想を重ねながら、緩慢に日常から脱出する方法としてオートバイは理想的な乗り物だ。台風やら秋雨やら、締め切りやらで脱出の機会を逸している繰り言哀れなり。
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